telcのドイツ語試験「Deutsch-Test für den Beruf(DTB) B2」の最新の試験対策と合格するためにおすすめの勉強法
この度、私は「Deutsch-Test für den Beruf(DTB) B2」に一発で合格しました!
今回は、試験内容が大きく変更になったばかりの最新版DTB B2の試験対策とおすすめの勉強法についてです。
「Deutsch-Test für den Beruf(DTB) B2」とは
「Deutsch-Test für den Beruf(DTB)」
「Deutsch-Test für den Beruf(DTB)」は、telcが実施している仕事のためのドイツ語試験。
telcは語学試験の開発や試験の実施を行っている組織で、ドイツの市民学校VHS(Volkshochschule)の子会社が運営しています。
私はVHSの「仕事のためのドイツ語コースB2(Berufssprachekurs B2)」に通い、半年間のコース終了後にDTB B2を受験し、無事合格することができました。
私は今まで非公式な語学学校の修了試験しか受けたことがなく、今回初めて試験に向けた本格的な試験勉強を行って受験しました。
実際に受験してみて、こういった公的な試験に合格するためには、ドイツ語スキルだけでなく試験形式の理解や対策も必要不可欠だったように思います。
B2レベルとは
ドイツ語のレベルは、A1→A2→B1→B2→C1→C2の順に高くなっていきます。
B2はドイツで働くために必要となるレベルで、Ausbildung(職業訓練)などにも参加できるようになります。
ちなみに、C1はドイツの大学進学可能レベルです。
DTB B2の試験概要
DTB B2は、「Lesen(読む)・Hören(聞く)・Schreiben(書く)・Sprechen(話す)」の4つで構成されています。
各項目60点満点、合計240点満点。
3つ以上の項目で60%以上かつ、合計でも60%以上の点数を獲得することで合格になります。
Lesen(45分)
Teil1:適したネット記事を選ぶ
全5問。
5人のニーズに合わせて、それぞれに最も適切な記事を8つの記事の中から選びます。
Teil2:新入社員向け冊子の読解
全4問。内2問が正誤問題。
2つの文章を読んで、それぞれの正誤問題と選択問題に答えます。
Teil3:質問に適した答えを選ぶ
全4問。
4人の質問者に対して、最も適切な答えを選びます。
ただし、1つは答えが選択肢にないので「×」を記入します。
Teil4:議事録の読解
全5問。
議事録の内容を理解し、最も適切な答えを選びます。
Lesen und Schreiben(20分)
Teil1・2:クレームメールの内容理解と返信
全3問。内2問が選択問題、1問が筆記問題。
まずは、上司から転送されたクレームメールを読んで内容を理解し、最も適切な選択肢を選びます。
その後、上司からのメールに書いてある指示に従って、顧客に返信メールを書きます。
Hören(20分)
放送回数は「全て1回のみ」なので、最初から最後まで集中して聞きましょう。
Teil1:会話内容の理解
全6問。内3問は正誤問題。
業務の流れなどに関する3つの会話を聞いて、それぞれの正誤問題と選択問題に答えます。
Teil2:会話内容の理解
全4問。
4つの会話を聞いて、それぞれに最も適切な選択肢を選びます。
Teil3:プレゼンテーションの理解
全4問。
1つのプレゼンテーションを聞いて、質問に最も適した選択肢を選びます。
Teil4:電話での会話
全5問。
業務の流れなど仕事に関する電話での会話を聞き、それぞれの会話で最も適切な選択肢を選びます。
Hören und Schreiben(5分)
Teil1:電話の目的を選ぶ
全1問。
電話の目的を「Angebot(提案)・Bestellung/Buchung(注文/予約)・Beschwerde(苦情)」の3つから1つ選びます。
Teil2:聞き取った内容を記入する
「電話をかけてきた人の名前・電話番号・重要な情報・すべきこと」について、聞き取った内容をそのまま解答用紙に記入します。
「重要な情報・すべきこと」は、箇条書きで記入します。
聞き取った内容を解答用紙に書き写すための時間はないので、聞くのと同時に解答用紙に記入する必要があります。
Sprachbausteine und Schreiben(35分)
Teil1:穴埋め問題
全6問。
空欄に入る最も適切な語を選択します。
接続詞や前置詞などの文法の知識と内容理解が問われる問題です。
Teil2:穴埋め問題
全6問。
空欄に入る最も適切な選択肢を選択します。
Teil3:テーマについての意見を書く
2つのテーマから1つを選択し、それに対する自分の考えを記述します。
Sprechen(約16分)
2人の受験者と2人の試験監督で行います。
プレゼンテーションはそれぞれ1回行います。
Teil1A:プレゼンテーションを行う
1つのテーマについて、2分間のプレゼンテーションを行います。
事前に与えられている8つのテーマの中から、2つのテーマが渡され、好きな方のテーマを選んで話すことができます。
Teil1B:試験監督からの質問に答える
試験監督からプレゼンテーションの内容について質問があるので、その質問に回答します。
Teil1C:試験監督からの質問に答える
プレゼンテーションをしていない受験者に試験監督から理解度確認のための質問があるので、その質問に回答します。
Teil2:スモールトーク
3分間。
2つの質問にそれぞれが回答します。
具体的には、1人1つずつ質問の書かれた紙が渡されるので、1人が質問を読み上げ、もう一人がそれに回答し、その後質問を読み上げた受験者も回答します。
Teil3:問題解決のための議論
4分間。
1つのシチュエーションに対する解決策について、二人で話し合います。
おすすめの勉強法
私が実際に行ってみて、効果があったと感じた勉強法について紹介します。
私は1ヶ月前から本格的に試験対策を始め、過去問を中心に勉強していました。
Sprechenのプレゼンテーションだけは、もう少し前から考えて始めていました。
Lesen:問題形式に慣れる!語彙を増やす!
まずは何度も過去問を解いて、問題形式に慣れるようにしました。
Lesenで大切なのは、語彙力。
過去問を解いた後は、わからなかった単語の意味を調べ、何度も繰り返して覚えました。
私はCASIO EX-wordの電子辞書に、独和辞典などのドイツ語コンテンツが入っているmicroSDを入れて使っています。
日本語でしっかりと意味が理解でき、例文や熟語、名詞の性や類義語なども一度で詳細に見ることができるので、かなり重宝しています。
手っ取り早く翻訳アプリを使うのも良いのですが、広告があったり、不正確な翻訳だったり、私の場合はネットサーフィンを始めてしまうこともよくあったので、電子辞書があってとても助かりました。
また、なるべく例文や同義語(Synonym)と一緒に覚え、ドイツ語で単語の意味を理解できるように心がけていました。
Hören:過去問を解く!
Hörenは、とにかく何度も過去問を解きました。
この試験では音声は全て1度しか放送されないので、聞き逃さないために、どこで問題の先読みをする時間があるのかも事前に確認しておきました。
わからなかった問題は、トランスクリプトを見ながら何度も聞いて理解するようにしていました。
Lesenと同様に、わからなかった単語は調べて、発音を確認しながら覚えました。
私は特にHören und Schreibenのパートが苦手だったので、数字やアルファベットの書き取りや情報の箇条書きを集中的に練習しました。
Schreiben:雛形を作る!
この試験の大きな記述問題は、以下の2つです。
- クレームメールに対する返信
- テーマについて意見を述べる
私はそれぞれに対して、何度も先生に添削をしてもらい、自分なりの雛形を準備しました。
このおかげで、Schreibenが得意になり、本番でも92%の得点を取得することができました。
Sprechen:7つのプレゼンテーションは丸暗記!ドイツ語を話す機会を作る!
この試験では、8つのテーマの中から1つプレゼンテーションを行います。
渡された2つのテーマから1つ選ぶことができるので、私は7つのプレゼンテーションを準備し全て丸暗記しました。
内容や文法に間違いがないか、事前に先生に添削もしてもらいました。
その場で即興で話せるのであれば丸暗記をする必要はないのですが、私はSprechenに苦手意識があったので、その場で考える時間や文法の間違いを減らすためにも丸暗記をしました。
自分のプレゼンテーションを全て録音して通学中に聞きながら唱えたり、家で時間を測りながら何度も繰り返し声に出して練習して必死で覚えました。
また、語学学校では、仲の良い友達と常にドイツ語で話すようにしていたのがよかったと思います。
友達とは一緒にSprechenの試験対策もして、お互いにフィードバックをしたり、対策を話し合ったりもしました。
日本語や英語を使わずに、休み時間も含めて毎日ドイツ語で話していたことで、最初の頃と比べてスムーズにドイツ語が出てくるようになりました。
おすすめの教材
私が試験対策で使用した教材は、「Prüfungstraining: Deutsch-Test für den Beruf」のみです。
このテキストを一通り終わらせてからは、ひたすら過去問を解きまくっていました。
授業では「Linie1 Beruf B2」を使っていましたが、個人的に試験対策としてはあまり使いませんでした。
試験を終えて
私が受験した時期は、試験内容が大きく変更された直後で、さらに難化したと言われていました。
実際に私の前のコースの合格率は全体の30%、友人のコースでは25%だったそうです。
個人的にB2はB1と比べて遥かに難しく、毎日授業についていくのに必死でした。
正直、手応えは最悪だったので絶対に不合格だと思っていましたが、合格していてホッとしました。
不合格だったとしても学んだことは決して無駄にならないのでそれはそれで良かったのですが、いざ目に見えるかたちで合格証明書を手にしてみると、これまでの努力が報われたような気持ちになり、感慨深かったです。
DTB B2の受験を考えている方の参考になれば嬉しいです。